おとといJさん主催で1泊温泉キャンプに行ってきた。

　日本だったらすぐに温泉はあるものだが、ウィスラーでは100kmはなれたところに行かなくてはならない。しかも半分は砂利道。車は2台だったが「パンクしたらこまるなあ」と話していた矢先にパンク。スペアタイヤは頼りなく、しかし携帯は通じないしJAFなどくるものでもない。もう一本パンクしたらかなり面倒なので、超スローな運転でちょっと緊張感溢れる温泉キャンプになった。



　20年前のウィスラーに存在した伝説のガイド集団「チームパカロロ」、ガイド集団でありながら“If you want to live long…Don`t follow us(長生きしたけりゃついてくるな）”という暴言を吐きながらガイドをするというよく分からない集団だった。


P：Tシャツ復刻版

　今回の温泉に行ったメンバーの中にも当時かかわっていた者がいたが、この温泉ツアーもちょっと緊張感のある体験になり、その流れを感じさせるものだった。

　
　さて、昨日もこの時期としてはちょっと重めの極悪パウダー。スノーレポートでは7cmの新雪だったがところにより20cm以上。面白かったです。そして観測史上2番目の大雪といわれた今年の降雪量は1460cmになった。


P:初代極パウ報告者の佐藤八起さん。4月27日


P：ウィスラーでおなじみの青森出身の佐々木大輔さん。4月上旬にゲレンデ内にて。

　現在はウィスラー山がクローズしてブラッコム山だけで5月24日まで冬の営業。6月19日から7月いっぱいは夏スキーとして営業なのでまだまだ滑れる。
　
　春といえばパークライダーの季節だ。キッカーはスモール（テーブルで1〜3m）からブルー（3〜7m）やブラック（10〜20m）、そしてレールや丸太などのアイテムが、大体リフト一本分2kmぐらいにあちこちに並ぶ形になる。コース一本完全にパークになっている。
　今年も、ビルディングみたいなMSPなどの撮影用キッカーが７ｔｈヘブンに作られつつある。


P:May 7th The day


P:Guess How big!!

　ちょっと前に終了したTWSSF,今年はちょっと盛り上がりにかけたなって印象が残った。だけど来年はスキーのビッグエアーも復活するらしいので、是非また注目してください。






　さて僕もウィスラーで20シーズン過ごしてきたが、最近よく感じるのは日本の自然の豊潤さだ。カナダの自然はでっかいが、自然の豊潤さや恵みの豊かさという点では日本はホントに素晴らしい国だと思う。
　温泉ひとつとったってぜんぜん違う。RING OF FIRE（環太平洋火山帯）のいろいろな国をスキーをかついで温泉に入りながら周ってみたいなとか思う。でもたぶん分かるのは日本の良さの再発見かもしれない。

　今年のウィスラーはオリンピックやパラリンピックで本当に貴重な体験をさせていただいた。健常者も障害のある人たちも含めて人間というものが本当は一番すごい奇跡なんだと実感した。

　ウィスラーリピーターの方でオーストリア国家検定スキー指導者の資格をもつIさん。その方の息子さんはあえて養護の先生をされているとのこと。脳など身体の障害でない人たちは、“レインマン”ではないが特別な能力を持っていることが多い。人をだましたり疑ったりしない、自分の利を求めない。「彼らは天使だ」というのがIさんの息子さんの口癖とのこと。だから人間はまだまだ進化の途中にいるんだなって思う。
　ウィスラーのリピーターの方々の中にはご家族でこられる方からシニアの方までいろいろな方がいらっしゃる。職業では僧侶の方や牧師の方もいらっしゃる。

“We are all riding together”


　4月上旬にはアイスランドで火山が爆発したとのことだが、日本では桜島がいつも爆発している。


P:鹿児島カヤックスより。

　大自然の桜島と60万人の鹿児島市が隣り合っている姿は世界でも貴重だ。雪が降ることもあるので、火山をバックに面白い映像も取れそうだ。これも日本の自然の豊かさと凄さのしるしじゃないかな？

　1980年にアメリカのセントへレンズ山が爆発した年の冬は日本でも56豪雪として知られている。

　だから僕は来年も「極パウが降る」と断言して今年の極パウ報告を終わらせたい。「また滑ってやるぞ」。この気持ちが未来を創る。

We are here today gone tomorrow, We are the moment that are constantly passing, but we are the future. We are all riding together on the earth.



今年も極パウ報告をご覧頂本当にありがとうございました。　　　　　　　　　　野口英雄

　ウィスラーはすっかり春めいています。ビレッジではTWSSFの無料コンサート。MTBに乗っている人も沢山見受けられます。でも山は結構冷えていい感じ。

　春のウィスラーといえば、やっぱりパーク。
　
　今回TWSSFのビッグエアーに来たのに、その種目がなくなってスーパーパイプに出場した佐藤麻衣子（マイチ）さんに、ウィスラーのスキーを取り巻く文化や環境について聞いたら、「もう文化がぜんぜん違うから驚きです。子供からおじいちゃんおばあちゃんまでツインチップスキーで」と言っていた。。
　
　実は僕も、昨年パークの写真を撮っていたら、どう見てもおばあちゃんにしか見えない女性がボードを履いてアイテムの前に並んでいたのを見てショックを受けたのを思い出す。
　
　Bスキー雑誌のO氏曰く「来年はビッグエアーあるみたい」とのことなので、マイチさんもキンちゃん（遠山巧）さんもまたインビとって来てください。
　

　ところで、ハイチには今もまだ多くの国から支援の手が差し伸べられているとのこと。先日アルパインロッジで飲み会に参加させてもらったが、そのときにOさんがパラリンピックのTシャツを持っていた。そのTシャツはハイチ製。


　オリンピック直前に大地震に襲われたハイチ。カナダ人のメダリストたちは報奨金をハイチに寄付したと聞いているが、パラリンピックのTシャツはあえてハイチに頼んだのかも知れないなって思った。ホントのところは分からないけれど、カナダの現総督はハイチから移民してきたミカエルさん。ありえるかな？


　そういえばウィスラーの小学生たちはパラリンピックのときにはみんなで競技を見に行っていた。「実際に目の前で見ることはいいことよね」ってウィスラーローカルが言っていたがホントにそう思う。
　
　4月上旬には日本からもファクトリースマイルの人たちがウィスラーにすべりに来ていた。
昨年もチェアスキーでTバーに乗っていたが、今年もTバーでブラッコム氷河コースにすべりに行った。


P:Chair Skier Mr Kanno


頚損のいっけさんもTバーに乗ってブラッコム氷河へ。


P:Mr Ikeda


みんなブラッコム氷河の雄大な景色や、いろいろな急斜面も含めて山全体を思い切り楽しんでいました。



P:Mr Kanno　L:McConkey’s　


WE ARE ALL RIDING TOGETHER!!　（TWSSFのキャッチコピーより）

4月22日　新雪0cm　積雪319cm　山頂-1℃　ビレッジ9℃

　春らしいウィスラー。

　MTBに乗っている人も多くなった。クマを見かけたという情報も新聞に載っていた。
　春夏秋冬、きちんとめぐって来るのがやっぱりいいね。

　TWSSFではTELUSが大きなスポンサー。あとはいろいろあるけれどモンスターエナジーやコカコーラなどなど。
ビレッジでは無料で配られているドリンクを飲んで、TELUSのサングラスをかけるのがトレンド。


　今日はビレッジ広場でウィスラー・シェフ・チャレンジが行われていた。30分でどのくらいおいしい料理ができるのか？？？
　いやあ、ジャッジになってみたいところだが、基本的に「うまい!!」という味覚しかないからだめかな？　うまい、とってもうまい、すごくうまい、ハンパな食うまい。
　
　ジャッジに知る人ぞ知るマーティン・ホワイトとクリス・ケントがいた。二人ともWC杯に出ていたボーダーとスキーャー。


　カンファレンスセンターではアートの展示が始まっている。日本人や日系人の展示もある。　スキーやボードのデザインに採用されるアートもあると思う。是非チェック。

　

　昨日はオラージュマスター。詳しくはブラボースキーなどの雑誌で。
　今年はウィスラーローカルのショーン・ぺティットを擁するｋ２チームが優勝。




4月18日　新雪0cm　積雪335cm　　山頂温度1℃　　ビレッジ温度14℃

　この数日春のような陽気のウィスラー。
　
　今日からTWSSFが始まりました。早速、72時間フィルムメーカーショーダウンの撮影もビレッジ広場で行われていた。


　これはTWSSFの最初の72時間で、与えられたテーマを絡めて撮影・編集してその出来を競うというもの。映画作りなどフィルムメーカーを目指す人おの登竜門。このコンテストを機にハリウッドで活躍している人もいるとのこと。

　結構楽しみな人気のイベント。

　マウンテン広場ではヨガを公衆の面前で行っている人たちがいた。


　なんかホントに自由だし、春らしいウィスラーの風景っていう感じ。

　スキーヤーズ・プラザでは野外コンサートが行われ、オラージュ・マスターの会場では選手たちがアイテムを使ってアップしていた。


　今回ビッグ・エアーがなくなったのはとても残念だけど、日本からインビテーションでやってきた遠山巧さんと佐藤麻衣子さんにお会いした。


　ウィスラーと、この大会を楽しみつつ頑張ってください。

15th anniversary of the TELUS world Ski and Snowboard Festival begin.
No closed circuit cameras. No mag and bag security checks. No road closures. No closures,period.
We are all riding together. This is our Festival !!　（パンフレットより）

4月16日　新雪0cm　積雪344cm　山頂温度5℃　　ビレッジ温度7℃

　週末にかけてなんだか賑やかなウィスラーです。
　
　イースターホリデイは終わったけれど、まだ春休みも続いているのかな？

　4月10日11日とウィスラーカップが行われている。10歳〜14歳のキッズの大会だが、この中にはソチに出る選手もいることだろう。

　ところで、北米でレースをやるキッズ達はSLの板とGSの板、そして最近はツインチップも持っているのが普通だとか？？
　
　親も大変だ。

　だけどこれは「レースもパークも、もちろんパウダーも全て一緒で楽しい！！」って考えているから当たり前。

　昨日、パークでツインチップを履いて、ジャケットの下にはレース用のワンピークをきたキッズが入っていくのを見かけた。たぶんちゃんとレースの練習をした後だと思うけど、やっぱりパークも入りたいんだよね。日本だと「レース前日にこんな所はいるな」って怒られちゃうかな？？


P：ウェーブのかかったアイテム。とりあえずまっすぐ入っていった。


P：ワイヤーを巻いていた糸巻きみたいなのに飛んでいった。

　ブラッコム山には通称ブラックパークといわれるLサイズ　XLサイズのみアイテムのあるパークと　MサイズとSサイズ中心のパーク。そして通称キッズパークといわれるSサイズのみのパークと3箇所ある。
　
　ウィスラー山のパークは１箇所で、斜面の変化があって、ちょっと長めのパーク。色々なサイズのアイテムが混在していたのだが、今年はSサイズのみのキッズパークといえるような場所が新たに出来た。これは安全に楽しめていいなって思った。


P:Sサイズはこっち。

こっちはエメラルドチェアーから丸見え。皆楽しそうです。エメラルドチェアーはグルーミングもあるし、中斜面の森もある。パークもあるしもしかしたら一番使い勝手がいいリフトかもしれない。これで20秒ぐらいのデュアルのレースコースがあれば（かつてはレースコースもこのリフト脇にあった）完璧に色々遊べるんだけどね。

今日もウィスラーは賑やか。駐車場はすぐに満杯状態。


ハイアルパインは風が強くて寒かったけれど、風の谷間になるグレーシャークリークレストランでは春らしく外でBBQも行われていました。




思い切り滑って、お腹いっぱい食べましょう。

4月10日　新雪０cm　積雪378cm　山頂温度-13℃　ビレッジ温度-3℃

　ウィスラー、今日も21cmの新雪。

　朝方はビレッジまで雪模様。トータルで14m以上の降雪となり、ウィスラー観測史上2番目の大雪となる素晴らしい年となった。
　まあ、ビレッジでは春告げ鳥のロビンが、雪の残る地面をほじくり返して餌を探す姿が見受けられるし、ウィスラーのオフィシャルフラワーのスカンクキャベツもずいぶん芽吹いてきている。春は確実に来ているのだ。
　だからもうすぐクマを見かけることもあると思う。

　ちなみにウィスラーの観測地点はピグアレーと呼ばれる標高1600mぐらいのところ。4メートルぐらいの高さの看板が雪に埋もれてしまいそうだ。


P：ピグアレー観測地点のそばにあるコース標識。

ピークチェアーは今日も“The Day” お祭り状態だ。


P：ビッグラインを描いて多数の人が滑り降りる。


P:ピークチェアー目の前のクリフスポット。

　滑って楽しいところは他にも沢山あるが、やっぱりウィスラーのピークチェアーが何だかんだ言っても面白いなって思う。

　
　目をTバー横のヘッドウオールに向けるとまだまだフレッシュパウが残っている。


P:時おり光が魅惑的な斜面を照らす。

　僕が誰も滑っていないタイガーテラスからの急斜面に入ったら、ちょっと雪崩れた。少しあせったが、雪崩れコントロールされていてもこういったポケットみたいなところはある。


P：スキーヤーズ・トリガーで雪崩れたところ。

　さて、この超極パウ、いつまで続くかな？
　
　とにかく楽しいウィスラーです。

　ウィスラーでは９日１０日とウィスラーカップが開催されます。

4月8日　新雪21cm　積雪387cm　山頂温度-6℃　ビレッジ温度4℃

　今年のウィスラーは4月が一番いい雪が降っているかもしれない。
　
　4月4日の今日も“The Day”だった。

　今年は“The Day”の日が多い。
しかも4月のこの時期。今ウィスラーに来ている人は本当にいい思いをしていると思う。

　1週間で新雪が107cm。この二日間オープンしなかったピークチェアーが、今日は朝の10時にはオープン。あっという間にパウダーが滑られまくった。

　“The Day”お約束のビッグライン、クリフジャンプ。これらはあまりに当たり前に行われている。


P:ピークチェアーエリア、タイガーテラスからの急斜面。


P:エアージョーダン。一つ目と二つ目のクリフバンドのど真ん中に着地。


P:家族らしき人々がタイガーテラスからの急斜面に飛び込んでいった。
　パパ？らしき人が素晴らしいターンで子供たちを置き去っていきました。


P:でもパパ？らしき人はちゃんとボトムで待ってました。


P：中斜面でも思い切りパウダーを楽しめました。

こんな日が、来年も毎年ずっと続いていくといいですね。


4月4日　新雪1cm　１週間で107cm　積雪377cm　山頂温度-4℃　ビレッジ温度0℃

　この数日はパウダーばっかり。
　昨晩はついにビレッジの標高（約７００ｍ）でも雪（みぞれ）が降り始めた。
　本当にトップシーズンが今やってきたっていう感じだ。

　新雪は24時間で34cm。


P：オリンピックやパラリンピックに変わってWSSFの幕が張られるビレッジ。


P:ビレッジも雪に覆われる4月2日の夜。


　さて、もうすぐWSSFだけれど、地元から参戦予定の日系フリースキーガールをちょっと紹介。
　ユキちゃん（Yuki Tsubota）。ウィスラーに生まれウィスラーで育った生粋のウィスラーっ子。


P:雪ん子のユキちゃん。（Photo By Geoff Jansen：ユキちゃんの同級生 ）

　ユキちゃんは4歳のときからお母さんのクリーニング関係のビジネスを手伝ってきたって言う努力家だ。
　好きなライダーは、サラ・バークとかそういったフリースキーヤー。
　オリンピックよりXゲームに出て活躍するプロになるのが夢。
　（ウィスラーっ子にとって、Xゲームとかに出るのがクール！！）

　ウィスラーブラッコムのフリーライドチームに所属して、モーグルやHP,ビッグエアーに出て活躍中。今年のWSSFではちょっと気になる存在。


P：夏のウォーターランプでのWバックフリップ。（Photo Edited By Geoff Jansen）


P：今年の2月APEXで行われたモーグル大会で。


さてさて、パウダーフルなウィスラーの4月。どんな楽しいことが待っているんだろう！？

4月3日　新雪25cm　（24時間で34cm）　積雪389cm　山頂温度-5℃　ビレッジ温度2度

　春告げ鳥がうろうろビレッジをうろつきはじめ、ウィスラーのオフィシャルフラワーのスカンクキャベツも雪解け水の流れる湿地帯に芽吹き始めてきた。
　
　山懐の、今年もここにスカンクキャベツ。

　イースターホリデイで、クリスマス並みにたくさんの人がいるウィスラー。オリンピック・パラリンピックが終わり、本来のウィスラーの姿に急速に戻り始めている。
　雪と晴天がうまい具合に繰り返されているので、このごろのウィスラーは本当に楽しい。楽しすぎて滑りすぎてひざが痛いし首も痛い。


P:ウィスラーピークチェアーより。


P:雪が多いので、みんないろいろ工夫してラインを刻んでいる。

　先日見かけたコスプレ軍団。一気にパウダーを滑り降りてきた。






　昨年のWSSFのオラージュ・マスターというイベントをちょっと思い出した。オラージュ・マスターがスロープスタイルなら、今回のコスプレ軍団は面白パウダースタイルっていう感じだった。

　イースターホリデイ、賑わうウィスラーより。

4月1日　新雪0cm　1週間で83cm　積雪357cm　　山頂温度-9℃　　ビレッジ温度1℃