母なる自然の脅威が吹き荒れている。カナダの全国紙でもハイチの地震の記事がトップ記事になっている。全世界から救援の手が差し伸べられようとしている。ウィスラーからもそういった動きは始まっていることと思う。
 
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カナダ全国紙より。

 ウィスラーでは違った意味で母なる自然が暴れている、といって良いものかどうか分からないが、ビレッジはここ1週間雨ばかり降っている。モーグルなどのオリンピック会場のサイプレス山も大雨に雪がやられてクローズドしたとのこと。山に残った雪をオリンピック会場に集めて準備するらしい。
 日本からインターネットだけで情報を集めていると、「ウィスラーは雨か?」「雪もひどいだろう」なんて思っているかもしれない。

 確かにその通り。

 “津軽には7つの雪が降る”なんて歌もあったが、ウィスラーには7つのパウダーが降るともいえる。底打ちしないボトムレス・パウダー、ちょっと硬めのパックド・パウダー、たまには素敵なアスピリンのようなパウダー。いろいろあるが最近降っているパウダーは、勝手に名前をつけさせていただくとコンクリート・パウダー。滑っていると足元が固められて抜け出すのに一苦労するという、まるでコンクリートに固められたようになるパウダー。ビレッジが雨で、山が重い大雪という今のウィスラーの状況でスキーが楽しめたら、世界中どこの山に行ってもスキーを楽しむ事ができると思う。


写真:7thヘブンの重いパウダー。

 しかしながら、ビレッジは雨でも実際山にあがってみるといい意味で裏切られることが多い。数日前にも青空が覗いたし、久しぶりにオープンしたウィスラーのウィスラーTバーには、オープンしたとたんに長打の列。


写真:ウィスラーTバーに並ぶ長蛇の列 。


写真:数日前には青空が覗いた。

 Tバーからみて裏側のハーモニーボウルエリアは、重々の極パウ。ハーモニーチェアーができる前みたいにちょっと歩いてハーモニーボウルへ移動。ハーモニーチェアーが動いていないので、そこはパウダーの競争率の少ない古き時代のウィスラーだった。

 “Mother Nature Is Always Boss, But We Play ”-母なる自然はいつでもボス。僕らは楽しむだけ- 

 雨だからと嘆いていては楽しめない。またウィスラーは滑るだけが楽しみでないのも事実。ブティックやパブ、美味しいレストランもあればB級グルメも沢山ある。
 図書館や博物館もあるし先住民の文化を展示している会館もある。ローカルの中には、ビレッジに雪がないからと、MTBを持ち出しているのもいる。

 ウィスラーに来る人はここのライフスタイルも含めて楽しんじゃってほしい。

 あと、もう一つのニュース。アルペンのオリンピックコース、デイブ・マリー・ダウンヒル・コースの名前に冠されたデイブ・マリー氏の娘さんが、ちょっと前のスキークロスで2位になった。1位もウィスラーのローカル選手だった。


写真:ウィスラーのPIQUEマガジンより。

 今度のオリンピックで、ウィスラーという小さな町から何人のメダリストが出るか楽しみだ。
 僕は、カナディアンはその時に始まったオリンピックの新種目に強いという気がしている。長野の時、スノーボードの大回転はウィスラーのロス選手がゴールドだったし、シドニーの時にはトライアスロン男子でカナダ人がゴールド。今回の新種目のスキークロスでもやるんじゃないかと、なんとなくそんな気がしている。
 もちろん日本の選手には一番頑張ってもらいたいし、メダルを少なくとも5個ぐらいは取るんじゃないかと期待している。

 さあ、オリンピックまで一ヶ月を切りました。選手の皆様頑張って下さい。


1月14日 新雪11cm 7日で55cm 積雪253cm 山頂温度-5℃ ビレッジ温度1℃

 ☆明日は25cmの極パウ予報、久々にビレッジまで雪に覆われている。☆