朝、たまたま乗り合わせた隣の人が「俺はここに住んで12年だ」と自慢げに話し、「昨日は7thのオープンを待ってすぐにクーラーエキストリームを滑った」、「今日はこのままピークに並ぶ」と言っていた。

この数日間オープンしなかったピークエクスプレスエリアは、新雪が溜まっていて、それをがばーっと滑るイメージが彼にはできているのだろう。
とにかくピークを一番に滑る。それが彼の今日のミッションなのだ。

僕は午後からの仕事の関係もありそこまでではなく、ピークはオープンするだろうからそのラインナップを見て、みんなが滑ってきたら写真でも撮ろうというお気軽な立場。

実際にピークがオープンした時の写真。
シェールスロープに残るパトロールの雪崩コントロールの跡。
横のシュプールはパトロール。


こっちの雪崩跡にはパトロールのシュプールがないので自然発生かな?


不思議なことに、それまで曇り気味だった空が、ピークのオープンと同時に光が刺してきた。
最初の方にシェールスロープに入ってきた人。


この日、ピークエクスプレスはエキスパートオンリー



ややこしいところへややこしいところへと進む人。


その先のパウダーを求めて崖をよじ登る人たち。


実際に僕は一本だけ滑れたのだが、それなりにややこしくウィスラーらしいパウダーだった。


一本滑って見上げるピークエクスプレス


そこにはクリフジャンプの跡も。

流石です。

僕が一本滑り終わった頃には、ピークオープンを知って駆けつけた人たちの大きなラインナップができていた。


この日、最初にシェールスロープを滑ってくる人たちの動画がこちら
2021年3月のクリフジャンプの様子がこちら
12年前の4月の動画がこちら

毎年毎年繰り返されている。

さて考察。

なぜ滑るのか?

”そこに雪があるから”とかもあるかもしれないがもっと根源的には”楽しいから”
危険があっても、いや危険があるからこそ”ワクワク”して”ドキドキ”するからか?

ちょうどこの日はアメリカのマーティンルーサーキング牧師の日。
彼は悪に対して悪を持って報いるのではなく「I HAVE A DREAM]
と言って、ワクワクする未来を夢見ていたからこそ、アメリカでは彼の誕生日を記念日にしているんだろうと思う。

彼の言葉が一つの革命だとしたら、パウダースノーも実態のある一つの革命なんじゃないかな?

あまりに健全でまっすぐな”滑る”という迷いのない気持ちがライディングを生み出す。そこには不安や恐れもネガティブな心もない。そういったゾーンを体験できる世界。
みんなが自分の可能性の中で気軽にゾーンを経験できる。それがパウダースノーの世界なんじゃないかなって。

パウダースノーって本当に天からの贈り物だよね。
シーズン中に何回あるかわからないけど、ある条件が整った時にのみ自然発生的に行われるピーク祭り。

是非是非、ウィスラーに滑りにきてくださいね。

1月15日 新雪12cm 積雪183cm シーズントータル4.4m
山頂温度−4.4℃ ビレッジ温度1.6℃