前回の極パウで“雪崩の状況を楽しみながら”なんてちょっと不謹慎に書いたけど本当は、雪崩はとても怖いものです。
 
 昨シーズンの5月下旬、ウイスラー山やブラックコム山で、大きな全層雪崩が起きていた。
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L:Couloir Extreme @ Blackcomb Mt

 夜の間に落ちたみたいで、誰も巻き込まれたものはいなかったけれど、背筋が凍るようなでかさの雪崩が、かなり多くの場所に見受けられた。
 次の週のPIQUEには“12月上旬に山全体に雨が降ったときの層が深く隠されていたのだろう”というリポートが出ていた。
 
 今シーズンの1月1日に、通常はゲレンデ内だが、雪が少なかったのでOB(OUT OF BOUND=Not Patrolled)だった場所で、雪崩がおきて二人が亡くなったのは記憶に新しい。
 その後、ウイスラーブラックコムの公式HPにおいて雪崩に関する情報を発信している項目が増えた。「二人の犠牲は無駄にはしたくないしさせたくない」。そんな気持ちが伝わってくる。
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 雪崩に関する危険度を、森林限界を越えたアルパインエリア、森林限界線のエリア、森林限界より低いエリアの雪崩の発生しやすさを表示してくれている。もちろんゲレンデにいる限りはパトロールによって雪崩のコントロールはなされている。それでもあくまで自己判断が必要で、ゲレンデ内でもオフピステに入るときにはある種の“センス”が必要になってくる。
 また、HPを見なくても、ゲレンデ内からBC(Back Country)にいくアクセスの場所には雪崩に関する危険度を示す看板が設置されている。
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 僕らは山の自然をリスペクトして、またこういった情報を発信してくれているパトロールやスタッフに感謝して、より深く、より楽しく山を楽しみたい。
 人生の贅沢をし尽くした人が最後にやりたい事って“勉強と旅”だっていう話を聞いたことがある。このウイスラーの山を滑るということを突き詰めていくと、“勉強と旅”の要素が入ってくる。ここにきて、この自然に抱かれてPOWを滑るっていうことはもしかしたら人生で一番贅沢な時間をすごしていることになるのかもしれない。

 ついでに昨年の5月の写真から。5月下旬のウイスラーをお楽しみください。
 
 山の中腹に出来た大きな水溜りで自然発生的にスラッシュ・セッション。
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 もちろん渡りきれずにクラッシュするもの多数。
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 ファンクション・ジャンクションというところでは頻繁にクマをみた。
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 でも、そのそばでは夏のウイスラー恒例の最大社交行事(毎週木曜日に行われるMTBの草レース。
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 全日本の選手が来てそのレースに出て、「全日本の大会より楽しいし人が集まっている」って言ってました。)

 さあ、今日も新雪17cm、3日で70cm、ベースも188cmになったのでますます本格的に楽しくなってきた。しかも明日から数日天気が良くなる予報。こりゃあもう滑るしかないでしょう。

2月25日午後4時 新雪17cm、3日で70cm!! 積雪188cm 山頂温度-18℃ ビレッジ温度-9℃